SEM・ネット広告業界

ネット広告業界の大手企業の一覧

ネット広告業界の大手企業の一覧です。 売上高のランキング(順位)や業態などをリストにまとめました。 ネット広告会社は主に「代理店」「メディアレップ」「アフィリエイト」に大別されます。 最大手サーバーエージェントのような独立系のほか、電通や博報堂など旧来型のメガ代理店の傘下に入っている会社もあります。

<ネット広告企業の業態別ランキング>
業態 売上高の順位 会社名 証券コード
(市場)
ネット広告代理店

(メディアレップから仕入れた広告枠を広告主に販売する)
1位 サイバーエージェント

※売上高:6,664億円(2021年度)
※独立系。ネット広告専業として断トツ1位
4751
(東証プライム)
2位 デジタルホールディングス

※売上高:985億円(2021年度)
※旧社名オプト。子会社ソウルドアウトも別途上場している。
2389
(東証プライム)
3位 セプテーニ・ホールディングス

※売上高:213億円(2021年度)
※電通グループが21%出資
4293
(東証スタンダード)
メディアレップ(媒体代理店)

(メディアから広告枠を購入し、広告代理店に販売する)
1位 D.A.コンソーシアムホールディングス

※博報堂DYホールディングスの100%子会社
※アイレップとDACが合併して誕生した。
非上場
2位 GMOアドパートナーズ

※売上高:345億円(2021年度)
4784
(東証スタンダード)
3位 CARTA HOLDINGS

※売上高:258億円(2021年度)
※電通グループが52%出資
3688
(東証プライム)
アフィリエイト(成果報酬型広告システム会社)

(ネット広告から購入・申込等の成果が発生したときに、広告主から費用を徴収する)
1位 アドウェイズ

※売上高:560億円(2021年度)
※伊藤忠商事が9%出資
※博報堂DYホールディングスが6%出資
2489
(東証プライム)
2位 バリューコマース

※売上高:335億円(2021年度)
※ヤフーの親会社「ZHD」が51%出資
2491
(東証プライム)
3位 ファンコミュニケーションズ

※売上高:267億円(2021年度)
2461
(東証プライム)
4位 インタースペース

※売上高:231億円(2021年度)
2122
(東証スタンダード)
5位 レントラックス

※売上高:24億円(2021年度)
6045
(東証グロース)

スナップアップの推奨銘柄の実績例

ネット広告業界の関連銘柄について、スナップアップ投資顧問が過去にリストアップした推奨銘柄の一部を紹介します。 ネット広告の分野は市場が拡大しています。とくに動画広告は前年比4割増という急成長ぶりです。 ただし、そのぶん新規参入する企業も多く、競争は激しくなっています。 技術も日進月歩であり、次々と新しい手法が開発されています。IPO(新規上場)も相次いでいます。大手でも安泰としていられません。

精度の高さに定評

こうしたなか、当サイトの編集スタッフが投資の際に利用しているスナップアップ投資顧問では、ネット広告関連銘柄を推奨リストに載せることがあります。 以前からスナップアップは新興株・ITベンチャー株の銘柄選定で高い評価を得ていますが、ネット広告銘柄も例外ではありません。なかなかの精度の高さを維持しています。 以下、具体的な実績例の一部を紹介します。


■ Orchestra Holdings(オーケストラホールディングス、旧デジタルアイデンティティ)(2019年4月推奨)

業種 ネット広告代理店
推奨時点の株価
(推奨日の始値)
867円
(2019年4月23日)
推奨後の高値 1,586円
(2019年6月21日)
上昇倍率 1.8倍
現在の株価 こちら→
市場 東証1部
(2016年9月、東証マザーズに上場)
証券コード 6533
ロゴ オーケストラホールディングス

Orchestra Holdings(オーケストラ・ホールディングス)は、SEMやネット広告の会社。金融業出身者と広告業出身者ら4人が共同で創業した。2009年に設立され、2016年上場。M&A(買収・合併)で急成長している。アプリやクラウド事業も手掛ける。

「ディール屋」系の企業

M&Aを得意とする会社である。一種の「ディール屋」さんである。ただ、買い取った後、黒字化するのがうまい。買収した会社の運営は、今のところおおむね上手くいっているようだ。単なる「空箱」ではない。中身を伴っている。

ネット広告・SEM事業

業務内容は、インターネット広告が中心である。中でも「検索キーワード連動型」の広告を得意としている。ネット利用者が検索したキーワードと関連性の高い広告を表示させる。

リスティング広告

検索キーワード連動型にはいくつかの種類があるが、オーケストラ・ホールディングスが設立当初から手掛けているのが、ベーシックな「リスティング広告」だ。これは、Google(グーグル)やYahoo(ヤフー)の検索結果の上に表示させる広告である。

運用型ディスプレイ広告

もう一つ、「運用型ディスプレイ広告」も主力になっている。性別や年代などの条件を設定し、一致するユーザーが閲覧するページに広告掲載する方式だ。

運用型広告の国内市場は年率20%成長となっている。有力な市場だ。

SEOコンサルティング

このほか、検索エンジンの上位に表示させる「SEO」のコンサルティング事業も行っている。

アプリ開発事業

アプリ開発事業は、2012年に始めた。

占いアプリ

2014年7月に占いアプリを立ち上げた。スマホからリアルタイムで占い師に直接相談できるというアプリだ。名前は「ウラーラ」。

事前に用意されたテキストを誕生日などの条件に合わせて提示する従来型サービスとは異なり、占い師とリアルタイムにつながる点が大きな特徴になっている。

この占いアプリは、2017年4-6月期に黒字化を達成した。一つ成功モデルができたことで、今後は同様のシステムでの横展開を目指すこととなった。

医療、法律、教育などに領域を広げるべく、開発を進めている。その一つが、メンタルヘルス向けのチャット相談アプリだ。精神面の不調や病気を抱える患者が、匿名性を保ちながらチャットで相談できるというコンセプトだ。大企業に福利厚生として導入してもらうことを想定している。

このようなアプリを増やしながら、一般個人があらゆる専門家と即時つながれるプラットフォームの構築を目指している。

クラウド事業

2019年初頭に、クラウド事業に本格参入した。

創業者・中村慶郎氏と佐藤亨樹氏

2009年設立

創業者は4人いるという。そのうち中心となった2人が、中村慶郎(なかむら・よしろう)氏と、佐藤亨樹(さとう・としき)氏である。この2人が現在も経営を行っている。

設立されたのは、2009年だ。当初の社名は「クリスタライフ」だった。ウェブサイト制作会社として立ち上がった。2012年に社名を「デジタルアイデンティティ」に変更した。

中村氏は金融出身

創業者の一人、中村慶郎氏は外資系投資銀行出身である。1974年10月生まれ。野村証券、モルガン・スタンレーなど金融畑を歩んだ。

その後、日本ロレアルに転職した。ロレアルとは、世界最大の化粧品会社である。日本ロレアルはその日本支社にあたる。そこで、 マーケティングやブランド戦略を担当した。

佐藤氏は広告マン

もう一人の佐藤氏は大手の広告代理店出身である。1979年3月生まれ。中村氏は知人の紹介で知り合った。金融に詳しい中村氏と、広告ビジネスに詳しく、クリエイティブな資質も優れている佐藤氏。名コンビの誕生であった。

いきなりSEM会社を買収

当初手掛けたウェブサイト制作は、利益や成長の面でメリットが少ないビジネスだとすぐ気づいたようだ。設立の翌年の2010年、SEMやSEOを主力とする「ビズスタイル」(東京都渋谷区)を買収した。見事な早業だった。

ビズスタイル

ビズスタイルは2001年7月に設立。SEOという言葉が登場する前から、SEOを得意としていた。すなわち、企業のウェブサイトが各検索エンジンの結果表示の上位に載るよう、サイトを最適化するノウハウを持っていた。企業にとって、自社サイトが検索結果の上位にくることは、それだけで広告になると、早々に気づいたのだ。

アイレップ設立にも携わった高梨巧氏

創業者は高梨巧氏。高梨氏は19歳でビズスタイル(有限会社)を起業した。その後、2002年にはSEM、SEO業界の先駆けとして知られる会社「アイレップ」の設立にも関与したと言われている。

投資銀行でのディール経験が生きる

「クリスタライフ」(現在のオーケストラHD)を創業したばかりの中村氏と佐藤氏のコンビは、ネット業界は時間が勝負だと考えた。そこで、自らの会社が育つのを待つのではなく、検索マーケティング業界の黎明期から活躍していたビズスタイルを買い取ることにした。投資銀行でディールを経験してきた中村氏ならではの発想といえる。買収の実現には、中村氏の金融業界での知識やノウハウが生きた。

ネット広告拡大の波に乗る

その後は、ネット広告拡大の波に乗って成長を遂げた。2016年9月、マザーズに新規上場した。 ベンチャーキャピタルには頼らなかった。上場時点での株主の大半は、従業員など社内関係者だった。 上場後は、さらにM&Aを積極化させた。上場で得た資金を上手に活用した。買収によって右肩上がりの成長を続けた。

「あゆた」の買収

2017年には「あゆた」を買収した。あゆたは、拡張現実(AR)やディープラーニングなどの先端技術を持つ会社だ。優秀なエンジニアを多く抱えていた。

持ち株会社へ

2017年に持ち株会社へ移行した。同時に、社名を「Orchestra Holdings(オーケストラ・ホールディングス)」に変更した。

東証一部へ昇格

2018年12月、東証一部へ昇格した。2019年4月にクラウドサービス会社を買収した。