インターネット広告の未来はどうなる?


電通が発表した「2009年 日本の広告費」によると、広告費全体は前年比11.5%の減少となっており、2007年をピークとして緩やかな減少傾向にある。しかし、インターネット広告費は前年比1.2%の増加が見られ、唯一成長しているセグメントとなっている。
インターネット白書(2007~2009)よれば、Webからのアクセス誘導対策として企業が行っている上位3つの施策は、3年連続で「SEO」、「紙メディア(雑誌広告やチラシ)にURLを記載して誘導」、「リスティング広告の出稿」と発表されている。上位3つのうち、2つは検索エンジン経由のプロモーションであり、今後もその重要性は変わらないと筆者は考えている。
しかし、2009年からはそれまで見られなかった、ユーザの行動パターンを解析してより鋭いアプローチを実現させる「行動ターゲティング広告」が全体の1割を占めるようになっており、新たな手法として根付き始めている。2010年5月30日、総務省はインターネットの全履歴をもとに広告配信ができる「ディープ・パケット・インスペクション(DPI) の技術に対して認可をおろした。このDPIを用いることで、各ユーザのWeb閲覧、購入、検索などの履歴情報を基に広告配信が出来るので、従来の「行動ターゲティング広告」より、ユーザ属性を絞ったアプローチが可能となる。

さらに、近年ではiPhoneをはじめとするスマートフォン端末の普及、TwitterやFacebook、mixiなどのSNSの普及によって、新たなプロモーション手法が生まれている。

Twitterを利用したプロモーションの成功例としては、DELLが挙げられる。DELLはTwitterを用いて、製品サイトへの誘導を行っており、2009年にはTwitter経由で約650万ドルの売上を生み出したと発表している。成功要因としては、35部門、100人以上の体制でTwitterの運用を行い、積極的にユーザへアプローチを行ったことが挙げられるだろう。
また、HONDAはmixi内でアプリを用いたプロモーションを行っている。
同社は、専用の「mixiアプリ」を作成し、そこに登録したユーザがハンドルネーム内に【CR-Z】の文字列を記入すると、実際にCR-Zが1名に当たるというキャンペーンを行った。当該アプリは80万人以上の登録ユーザを集め、SNSを通じた効果的なプロモーション例といえるだろう。

上記のように、様々な角度から更に多くのインターネットユーザと接触機会を創り出そうと、プロモーションサイドは多くの手法を考え、実施している。


ただし、新しい試みを行う際にはある一定の規制や制約を定め、整備された状態で行わなければならない。例えばDPIはネット業者がプロバイダに蓄積されるインターネット通信のやりとりをもとに広告配信を行うため、個人情報漏洩の危険性がある。セキュリティやプライバシー、公平性など、あらゆる観点からユーザ・情報提供側の双方が納得する形になって、はじめて有用なプロモーション手法となるだろう。

(執筆:マーケティンググループ Y.M)


【japan.internet.com(検索エンジンマーケティング)掲載コラム】

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投稿者 aun : 2010年06月10日