中国ネットショッピング事情――「淘宝網」成功の秘訣


私が注目している中国のネットショッピング事情について、最近気になるニュースがあった。三井住友カード(東京都港区、月原紘一社長)は2008年12月26日、オンライン決済サービスのSBIベリトランス(東京都港区、沖田貴史社長) と提携して中国本土の消費者向けに「銀聯」による決済ができるインターネット通販事業を行うと発表した。(※1)
 
 このような大手企業のほかにも、最近中国のネットショッピング市場に注目している日本企業も少なくない。

中国におけるネットショッピングは、2005年から2006年にかけて都市部を中心に急激に普及してきた。2008年9月18日に中国の大手ITマーケティングリサーチ企業、アイリサーチ(iResearch)と、アジア最大のインターネットショッピングサイト、「淘宝網」が共同で発表した「2008上半期インターネットショッピング市場発展報告」によると、今年上半期、中国国内インターネットショッピング取引額は531億5000万元に及び、2007年通年の561億元に迫った。(※2)また、マスターカード・インターナショナル(中国名:万事達カード国際組織)の調査によると、中国は2010年には日本を抜き、アジア太平洋地区で最大のネットショッピング市場になる見通しとのことだ。

急成長している中国のネットショッピング市場を語るには、全体利用者数の85.1%を占めている淘宝網抜きには考えられない。拍拍網、TOM易趣網、当当網、卓越亜馬遜網などの競合があるが、淘宝網は56.3%の市場シェア57.3%の高ロイヤリティで圧倒的な優位性を示している。(※3)

では、なぜか淘宝網はこんなに熱いのか?それは淘宝網が100%中国ローカル企業であり、しっかり中国消費者の心理と購買習慣をつかんだからと考えられる。私の考える淘宝網成功のポイントは次の3点である。

1.支付宝(Alipay)の使用

淘宝網をはじめ、中国のネットショップでは「支付宝(Alipay)」というシステムが使われている場合が多い。「支付宝」は買い手と売り手の間にある仮想口座のような存在である。
買い手は商品を購入後、商品代金が直接売り手に支払うではなく、まず支付宝に預ける。支付宝は、入金があったことを売り手に伝え、売り手は商品を発送する。買い手は商品を受け取り、商品に問題がないことを確認した後、支付宝に代金を売り手に支払うようと連絡する。もし商品に問題があって返品した場合は、支付宝から買い手に商品代金が返還される。

ネットでの買い物は顔が見えない取引なので、特に支払いにおいて、最も中国でのネット販売のボルトネックと考えられていたので、「支付宝」の登場は安心・安全にネットショッピングできる環境を提供、多くの消費者にネットショッピングの第一歩を踏み出させたと言えるだろう。

2.チャットツール“旺旺”導入

中国人の消費習慣として、売り手と買い手のコミュニケーションが重要である。スーパー、自動販売機以外に、何の情報交換もなくものを買うという光景はほとんど見られない。一方通行になりがちなネットという仮想の世界で中国人に買い物させるのは大変に難しいのである。そこで、淘宝網がオンラインチャットツール“旺旺”を導入した。“旺旺”を通じて、買い手と売り手は取引の前、その後自由にチャットができる。写真でしか判断できない商品に対して問い合わせたり、値引きしたり、いろんなコミュニケーションができる。元々顔の見えない仮想の世界でこのチャットツールは、リアルタイムの双方向コミュニケーションを通じ、リアルの買い物と同様の楽しみを提供したのである。

3.独特のチャンネル分け

淘宝網では、普通の商品カテゴリー別のチャンネル分けがあるが、それ以外に「男」と「女」という2つの独特のチャンネルがある。ネットショッピングする人はすべて自分が何を買いたいのは明確しているわけではない。中にはウィンドーショッピングのような感覚でショッピングサイトに来ている人も相当数いる。淘宝網の「男」と「女」チャンネルでは、男女別に世の中に流行、ファッション、芸能、娯楽、健康、ホビーなど様々な最新情報を入手することができるため、さらに、消費のチャンスを広げ、ネットショッピングの楽しさがより一層高まった。

 日本国内消費市場が減少する一方で、中国など新興国の成長に目をはずせない。特に海外向けのネット通販という低コスト、低リスクの市場拡大手法は益々注目されている。ただし、すべて良いものであれば売れる時代ではなくなったため、淘宝網のように現地の消費者の消費習慣をじっくり研究、把握したうえで行動したほうがよいだろう。

※1出典:三井住友カード株式会社ニュースリリース(2008年12月26日)より
※2出典:アイリサーチ(iResearch)ニュースリリース(2008年9月22日)より
※3出典:「中国インターネット情報センター」(CNNIC)≪第23回中国インターネット発展状況統計報告≫より

<(執筆:CBMグループ A.G)

【japan.internet.com(検索エンジンマーケティング)掲載コラム】

翻訳会社TEKIYAKUの翻訳サービス
翻訳会社TEKIYAKUの翻訳サービス
言語別
英語翻訳  ・中国語翻訳  ・韓国語翻訳
分野別
ホームページ翻訳  ・IT分野翻訳

「ビバ! キーワード」(社長ブログ) ぷらぷら(イベント情報サイト) トレンドチャンネル(最新トレンド情報サイト)
  社長ブログ イベント情報サイト「ぷらぷら」 トレンド情報サイト[Trend-ch]

投稿者 aunpr : 2009年01月26日